私2

そうして愛車に乗り図書から逃げ果せた私は古本屋に立ち寄り、あてもなくふらふらふらふら彷徨った挙句百円で売られていた汚れた本を三冊程買って(私はこの文章を打ちながら買った内の一冊は家に同じものがあったことを思い出して嫌な気分になた。)近くにあったベンチ二つの公園とは言い難い広場へと身を寄せた。
太陽がジリジリと肌を焼く。暑い、夏ほどではないが、カラッとした暑さは夏とは違う嫌な暑さだと私は思っている。

さて、少し遅くなったが自己紹介をさせて欲しい。内容は、そうだね、名前・年齢・髪型・血液型・背格好・経歴とさせていただく。
ではまず名前だが本名を名乗るのも癪なので、ああ嘘嘘。経歴にこれ以上くだらない傷を付けるのも面倒なので、ペンネームを使おうと思う。佐々木勉、歳は十八。髪型は肩より少し伸びた癖毛を適当にお団子にしている。血液型はA。背は一五三で胸は申し訳程度についている。服装は白のYシャツに短パン、レギンス黒の運動靴に蛍光ピンクの靴下と灰色の上着を羽織って赤の車のイラストが描かれたリュックを背負っている。このセンスから察して欲しいのだが、私はお洒落というものに興味がない。申し訳ないことに、ミジンコ程も、だ。けれども私は、某ファッション専門校高等科に通い、今ではそこの専門科の生徒をやっている。何を間違えたのやら知らないが、ファッション的なものとのお付き合いは今年で四年に上る。だがしかし、このお付き合いもきっと今年で終わるだろうと踏んでいるし終わらせたい。

今日は十月二十三日木曜日。立派な平日であり登校日だ。登校なんぞしていないだろう、と思ったあなたは中々ツッコミの才能があるのではないかと思う。まあけれどそんなことはどうでもいい。実を言えば夏休み明けからずっと、私は登校していない。サボった日数は一月を超えた頃から数えるのを止めた。無意味だからだ。けれどももう二月に手が届いたか、それ以上かというところになる。
正直こんなところで筆を取らず学校に行けと言われるような状態だが、まあ取ってしまったことは仕方がないのでとりあえず私が筆を取った理由を聞いて欲しい。