私7

専門学校の生徒であった私も幸せだった。尊敬する教師こそ定職につきいなくなっていたが、クラスメイトとは仲が良かったし賑やかで華やかな舞台に立っていたと思う。ならばなぜ、と問う人のために答えよう。あいだ、億劫、鬱陶しいと。私は弄られキャラと認識され易く享受するタイプだが、悦んでいると思い込み、土足で踏み荒らされるのは好みではない。そして趣向をバラされるのも好ましく思っていない。

私が今もなお腹の奥で燻らせている出来事を聞いて欲しい。
その前に軽く説明しておくと、私は男同士の恋愛が好きで少年が好きだ。勿論これは特殊趣向だし、高校は同士が集まっていたためオープンだったが、専門学校ではそんなことはなく黙っているつもりだった。
いつの事だったか、もう思い出せないのだが、高校から同じ学校に通う知り合いがいた。私の名誉のためにいうが、仲良しではない。だがしかし高校時代、別クラスのくせ私のクラスに入り浸っていた彼女は私の趣向を知っていた。それを、まあ五月か六月そこらでバラされた訳だ。何が、「嘘つくの嫌だから言うけど~」だ!「勉ちゃんも好きだよねー」だ。全く、全く、全く!
その後からかわられるのは私だけだし、「佐々木が好きとかいうと犯罪者臭する」などと教師から言われるのも、ああ、ああ、私だけだ。分かる~と同意するのは専門学校からのクラスメイトだ。もうどうだっていい。

私は専門学校では幸せだった。その筈なのに、思い出すとそうではない気がしてくる。何故だ。